キンロス・ゴールド分析
大局観
金価格について
- 基本的には、上昇傾向にある
- 特に今の世界的な量的緩和が続く場合、コモディティの希少性が増し、いずれ株や債券よりも重要視されるようになる
- 現時点での潜在的な価格は、トレンドから見ると$1500〜$1600くらい
- すでに1.5倍程度のギャップが見込める
- 金価格はドルと逆相関をするので、ドル高の今はマイナスの方に向かっている
ドルについて
- 先進国の中でも珍しい利上げ国として、資金が集まる可能性が高い
- ただし経済指標を見ていると弱そうなところもちょこちょこ見える
- 一方で原油価格が上昇しているので、指標としてインフレが現れる可能性は高い
- 12月の利上げはほぼ確実だが、その後は不透明。場合によっては、インフレ気味だが経済指標から利上げができないケースも有り得る。
- その場合インフレが放置されることになるので、通貨としては売られる。
- ドル安がさらにコモディティ高を演出するかも?
株式市場について
- 今は利上げの折込が十分な状態とはいえないので、必ず一時的なショックが起こるはず。
- その際5〜8%程度の下げが見込める
- 長期的な大クラッシュは必ず起こるが、まだいつ起こるかはわからず
- ドイツ銀行は問題ないと思うが、利上げ時に材料視される可能性はあり
キンロスゴールドについて
事業内容
- 特定の地域ではなく、各地に金山を所有
- AISCは900ドル程度
- 西アフリカやロシアなどの金山も保有
- ロシアの金山が採掘コストが一番安く450ドル程度
財務分析
- 営業CFは2014年から微増傾向にある
- 投資CFは2012年をピークにかなり抑え気味
- ただしここ半年は再び増加傾向にあり。おそらく2014年レベルまで投資を行う可能性あり
- フリーキャッシュフローはプラスなので、問題はなさそう。
- ここ2期は営業利益ベースで黒字
- 金利で支払う分は大きいが、経常利益はまだプラス
- 税金の支払額が大きく、直前期は純損失。
- 当座比率172%
シナリオ・考え方
- 最後の配当である1株0.16ドルを今の株価に適用すると、利回り4%近くになる
- 金価格の調整は終わったか?HUI指数ベースで、最安値から直近の最高値ベースで考えると、192。今は210程度なので、ほぼ終わったと見て間違いなさそう。
- 利上げによる一時的なドル高を待つか、今買うべきか。
- トランプが米大統領になった場合は、ドル安になる可能性が高い。ただしネイト・シルバーの予想では、現在ほぼヒラリーで変わらず。
- 少し長期的な視点を向けると、全体的な量的緩和によりお金はジャブジャブ傾向。
- ただし確実なクラッシュに向かっているので、その時かなり金が志向される可能性が高いと見ている。
- なぜなら現在は債券と株、両方買われている状態であり、このままでクラッシュを迎えるのであれば、投資資金はそれ以外の場所を探すはず
- その結果コモディティ高が来ると考えているので、金はかなりの有力候補ではないか